人類世界最速男
先月の世界陸上。何といっても注目は、男子100mでした。北京で世界新記録を出したボルド選手にゲイ・パウエル両選手がいかに巻き返しを図るかが注目の的でした。私も興味深々であり、深夜(朝方の放送)でしたので、一度就寝してから観戦していました。
勝ったのは、期待通りボルド選手。度肝を抜く記録で北京より0秒11速い9秒58でした。後で分析してみると、歩数は北京と同じ41歩で駆け抜け、1歩のストライドMAXが2m77cmだったそうです。歩数は同じでしたが、スタート反応時間の早さとピッチが増した関係で世界新記録を更新した訳です。
私が特に注目したのは彼の走っているフォームだけではなく、スタート前の緊張度やアップの仕方でした。普通あれだけ世界から注目を浴びているにも係らず、しかも世界最速を決める大舞台のスタート前にゆらゆらとアップし、くねくねと身体をゆするなどの動きをしていました。表情も柔らかく、決してこれから勝負する眼光鋭い視線とは程遠いものでした。
他の選手といえば、精神統一をはかり微動だに動かないで集中をしているにも係らず、ボルド選手だけがものすごいリラックスをしていました。そして、スタート。あのゆらゆらとした身体が一瞬に移動していきました。魚に例えると外敵がいないときは、ゆらゆらと泳いでいて、襲ってくる感があるときは、ピーンとものすごい速さで逃げるような感じで駆け抜けていったという感じでした。
もし、彼が高校生であったならば、日本の高校指導者達の90%は『何やってんだ!バカヤロー、この大事なときに集中できないのか。真面目にやれ!』と叱ったり注意をしたりするのではと思うほどゆるんでいたのが印象的でした。
大事な試合の時、誰でも大小の緊張感はありますが、身体が硬くなるのは普通で誰にでも出来ますが、心身共にリラックスすることほど難しいものはありません。ですが、今我がチームの取り組んでいる事は、ゆるんでいなければ100%パフォーマンスは発揮されません。ボルド選手が画面から教えてくれているように、そのカギは心にあり『心弱き者は硬直し、心強き者はリラックスできる。』と。そして、世界最速を手に入れたことを実証してくれました。
心の強化は練習時だけではなく、普段から『人よりもう一歩【我慢すること・粘ること・諦めない】』ことが大切であり、それら心の基盤があって始めて練り上げる工夫と努力を日々積み重ねることによって自信を身につけた者のみがリラックス(ゆるむ)できるのだと確信しています。
明後日から、大事な前期期末試験が始ります。脳も身体もリラックスして望めるような準備をしてください。期待しています。
PS 午前トレの帰り道、からまつ林があるのですがキノコ狩りに来ている模様でした。午後は試験も近いため、restとしました。久しぶりに私の空き時間が出来ましたので、これからキノコ狩りに出かけてきます。キノコがあるよと誰も言ってはくれませんが、他人の行動と直感で『必ずある。』と確信しています。採取できたら、また写真付きでアップさせていただきます。
それでは、行ってきます。